鬼頭莫宏の漫画『ぼくらの』を読んで……

アニメは色々とアレな『ぼくらの』で御座いましたが……まあ、アニメは連載が終わる前に始まったので仕方ないのかな。

原作は途中まで読んでいたのだが、続きを待ってるうちに忘れてしまっていた。
で、突然と思い出して読みたくなったのだが……

ああ、完結していたようだ。よかったよかった!
安心して読めるぞ!


さて。『ぼくらの』について記しておこうかな。

この物語は至極単純。
子供たちが巨大ロボ「ジアース」に乗り込み、侵略者と戦う。
※厳密には「侵略者」ではなく、どちらが「間引き」されるかを決めるための決闘。
敵は複数に存在(平行世界)する「別の地球」から現れている。


ちなみに、『ぼくらの』はジョージ秋山の『ザ・ムーン』をヒントにしているとか……
お暇があれば『ザ・ムーン』から読むと「吉」と出るかも知れませんね。人によっては「凶」と出る可能性も無きにしも非ず。

『ザ・ムーン』は何とも言えないラストなので、嫌がる人が多いかも知れない。乱暴に言い放つと救いがない。普段から思慮に欠けてるような人が読んだら「意味ねーじゃん!」と思うだけで、心に何も響かないでしょうね。私は色々と考えてしまったが。

以前に読んだのだが、ラストしか覚えてない。読み直そうかな……とにかく、そのくらい救いがない。


……で、『ぼくらの』の話を……★


舞台は仮想近未来。
『ぼくらの』では「日米同盟」が破棄され、中国との同盟が実現している模様。
アメリカとの緊張が高まってるような描写はあるが、中国側の事情がほとんど描かれてない。そもそも、何故に中国と組んだのか……?

作品内でも「そんなに悪くない中国人」が描かれ、そこはかとなく鬼頭莫宏のイデオロギーが垣間見える。もしかしたら、どこかで本人が語ってるかも知れないが……まあ、割とどうでもいいことなのか。

私だったら、「ジアース」が戦闘を始めた混乱に乗じて窃盗を繰り返す「中国人の集団」を描くかな。他にも「日中同盟を破棄するべし!」と声高に唱えてデモを行う様子を描いてみたり、仮想近未来でも中国に蹂躙されているチベットを描いてみたり……
とにかく、仮想近未来でも、中国は中国として描くかな!

作品内で日本の外交政策などは深く掘り下げられておらず、描写は控えめ。
まあ、テーマがそこではないのだろうが……


敵との戦闘は一対一で行われる。負けると、地球滅亡。
決着は「48時間」以内に付けなくてはならない。決着を付けられないと、地球滅亡。

「ジアース」の動力源となるのはパイロットの生命。操縦は一人で行うのだが、敵に勝利するとパイロットは死亡と相成る。すなわち、勝っても負けても死亡。


『ぼくらの』では、死と向き合う子供たちの心理描写が細かく描かれていると思う。
作品の見所は「戦闘そのもの」ではなく、子供たちの生きる様なのだろう。

各々、家庭の事情は複雑に描かれている。まあ、複雑にしないとドラマにならないしね。

個人的に、売春婦の母を持つ少女「半井 摩子(なからい まこ)」のエピソードがきつかったかな……「母が売春婦」って、物凄く嫌だと思う。

敢えて真面目に突っ込むと、子供を儲けたら売春なんかやめようぜ。
実は、アニメ版では斯様に設定が変更されてる。ファンの間では物議を醸したとか……
個人的には「最悪」と言うような設定変更だとは思わないが……「原作を忠実に再現」して欲しいと願うファンの心理は理解できるかな。と言うか、些細な設定変更で騒ぐのはアホらしい。
だって、アニメで見たら、中盤以降、全く別物だしね。
『ぼくらの』をアニメと漫画版で「別の作品」として観るなら、評価もまた違うのかな。


蛇足だが、売春について思うこと……

『ぼくらの』の世界で「売春が合法化」されてるのか何なのか分からないが……母が売春婦であることで半井がいじめに遭ってるので、少なくともこの世界でもろくな職業ではないことが推察される。
手配師も中国人のようだぞ。裏家業は中国人の独壇場? そう言いたいのかな。

……私が交際していた生前の彼女も、限りなく「裏側」に近い人間だった。
私は全てを知った上で交際していた。彼女の「仕事」を侮蔑することはしなかった。

一つ、大事なこと。
彼女は好きでその「仕事」をしていたわけじゃなかった。
色んな風俗業に従事していたようだが……辞めたがっていた。
まあ、そりゃそうだ。胸を張ることは、はばかられる。

「日の当たるところで仕事したい」……彼女は口癖のように言っていた。
彼女は私と交際を始めてしばらくした後、夜の仕事を辞め、昼間のパートを見つけて働き始めた。物凄く勇気のある行動だと私は思う。だって、十年以上も「限りなく裏側に近い」仕事をしていたのだから。

真の勇気を彼女は持っていた。「裏」と「表」を知り、「表」を選んだわけだ。私に対する配慮も多少はあったかも知れないが……文句を言った覚えはない。
「間違い」だと気づき、道を修正するか否か……ここで、人間の質が問われる。過去のことはさておき、今は墓の中だが……彼女は最高で最強の彼女だった。

斯様な彼女を見てきたので、子供を儲けても売春婦を続ける半井の母には感情移入できなかった。まあ、人それぞれ、思うことはあるだろうが……

好きで売春婦を続けることも結構なのかな。他人の人生だし、私がとやかく言う問題ではないのだろうが。「間違い」と知りながらも、簡単に修正できない事情もあるだろう。

とは言え、派遣やパートでも子を育てるシングルマザーがいる。珍しく御座いません。
安易に「裏家業」に足を突っ込まずに頑張る……私は斯様な女性を応援したくなるかな。


……閑話休題……★

『ぼくらの』は基本的にSFなので、真面目に読むと「どうしてそうなの?」と首をかしげてしまうかも知れない。物語としては面白いと思うが。
そもそも、何故に巨大ロボで戦うのか……どこの誰が戦闘ルールを決めたのか……


「ジアース」の全高は五百メートルに達する。町中で動けば被害甚大。この辺の描写がきちんと描かれているので、好感が持てる。アニメだと『ザンボット3』を思い出すね!
だもんで、「ジアース」に対して怒りを露わにする人々も……まあ、迷惑だわな☆

地球の兵器は「ジアース」を含むロボに対して無力。核兵器にもびくともしない。おまけに、自己修復機能も持ち合わせている。一体全体、如何様な素材で作られてるのか。

果たして、誰がこれらのロボを作ったのか……最後まで謎が解き明かされることはない。適当に想像しましょうか。


『ぼくらの』は荒唐無稽だが、SF漫画なのでうるさいことを言ってはいけない。
そして、「中二病」を患ってる御仁には好評のはず。私のこと!?

物凄くどうでもいいのだが、『なるたる』は二度と読みたくない。の、のり夫が……★

実は、鬼頭莫宏の漫画は『なるたる』と『ぼくらの』しか読んだことが御座いません。
他にも読んでみたいのだが、鬱展開に耐えられる自信がない……他の作品は大丈夫!?

この歳になると、普通に「ハートフル」な漫画で癒やされたくなる。疲れすぎ?
『ドラえもん』とか、『笑ゥせぇるすまん』とかでいいかな。簡単なのがいい。


「勧善懲悪」物でもいいかな! 悪い奴らをバッサバッサと……
悪い中国人とか、悪い朝鮮人とかさ☆


押されると私が悶絶……☆
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コメント

わからない。

kak
なんか、コメントしたいのですが、理解できないというか、自分のわかる範囲を超越している内容なので、持て余しております。やはり、会話は、情報を共有できることが、前提で成り立つのだなと思います。
すなおに、わかりません、と。白旗です。
関係ない話ですが、世界中の人類で、神様がほんとに、いると思う人間は、どのくらいいるのでしょうね。いわゆる、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の神。全知全能、この宇宙を作った神といおう存在。
日本人は、もちろん、そんなバナナですが、欧米人、ユダヤ人、イスラム教徒なんて、信じてるわけです。
宇宙がビッグバンで、初めて作られたなんて、信じているのは。神を信じている人には、考えられないことで、しょうね。ダーウインの進化論なんか、猿が人類の先祖なんぞ、神が世界を創造したと、信じる人には、悪魔の理論でしかない。
結論、対話で相互理解、世界平和なんて、不可能じゃないのかな。対話するほど、理解不能になるわいな。

Re: わからない。

紅@KOH
毎度どうもおおおおおおお! コメント、ありがたいですからね!

> 関係ない話ですが、世界中の人類で、神様がほんとに、いると思う人間は、どのくらいいるのでしょうね。いわゆる、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の神。全知全能、この宇宙を作った神といおう存在。
> 日本人は、もちろん、そんなバナナですが、欧米人、ユダヤ人、イスラム教徒なんて、信じてるわけです。


恐ろしく乱暴に言ってしまうと、結局は「教育水準」や「情報量」で決まってしまうのではないでしょうかね。リテラシーが低ければ、それこそ「手品」を見せるだけで何でも信じ込ませることができてしまいそうで御座います。本当に乱暴な物言いになってしまいましたが。

もう一つは、「拠り所」を見つけることで「己を確立させる」みたいな……然様な感じで御座いましょうかね。「カルト宗教」などがそれに当たります。まあ、ネタ半分で参加してる野郎もいることでしょうが。


> 結論、対話で相互理解、世界平和なんて、不可能じゃないのかな。対話するほど、理解不能になるわいな。

いや、全く以てその通りで御座います。世界(国)の成り立ちが丸っきり違いますからね。

対話で平和に導ければ苦労は御座いません。力を持つ者が出張る。いつの世も……★

( ̄^ ̄)ゞ☆

ぼくらの

kak
「ぼくらの」というアニメを見てみようかな、いったいどんな、話なのかなと、動画を検索してみたら。ありました。漫画をアニメにしたんですね、けっこう、感動したとか、よかったという、若い人の書き込みが多いですね。
人気の、漫画だったのでしょうか。
「愛する人のために、地球を守って、死んでいく」。15人の闘いの物語、なんでしょうが、設定とか、闘いのるーるとか、ストーリーの構成が緻密で大掛かりですね。
 漫画というのも、読むのに、お金もかかり、時間もかかり、気力も必要で簡単に漫画を読むと言っても、簡単なものではなさそう。わたしの、子供(娘)は、「漫画には、お金は惜しまない」と、言い切ってまして、新刊を単行本漫画なんか、けっこう、買いまくってました。
 逆に、男の子は、あまり、ジャンプとか、買ったのを、見たことはありません。それはともかく、なるほど、こういう物語の漫画なんだなという、理解をもとに、こんどは、KOHさんの文章を読んでみたら、何が書いてあるのか、今度は、よく理解できました。深くはわからないのでしょうが、文章の意味は、十分に理解出来ました。
 で、動画の中に、名言というのがあって、「ぼくらの」のなかの、好きな言葉が、抜粋されていた。それを、見ました。そのなかで、一つだけ、というか、パンチのあるセリフがあった。
「母さん、羊羹切らないで、手首を切ってどうすんだよ」というぎょっとするセリフ。それと、関連して、「死んだら母さんに会える」というセリフ。
 私の最愛の母も亡くなっていますので、死んだら母さんに会える、ほんとに会えるなら、死にたいね。そんなわけはないのは、わかているけど・・・・・。
 で、「ぼくらの」の名言の関連で、名言の動画があったので、いくつか、見ました。それの抜粋を、書き込みます。

@@@@@@@@@@@@@
 ↓は、なんか、受験生が、受験を終えて、自分の励みになた名言とか、いうことです。

「勉強すればよかった」、と後悔する人は山ほどいる。だが、「勉強しすぎた」と、悔する人はいない・・・最近、マジそう思う。

天才は有限。努力は無限。

死ぬまで言い訳してろ。

それが、どうかしたか。

転んだ人を笑ってはいけない。彼は、歩こうとしたんだ。

散歩のついでに富士山を登った人はいない。登ろうと決意したやつだけが登ったんだ。志を立てて励みなさい。

負けを認めなければ負けではない。

人生は往復切符を発行していません。ひとたび乗ったら、再び帰ってはこれません。

人間死に方は選べないが、生き方は自由だろう。

不可能とは、努力から逃げたものが言う言葉。

自分で夢のある生き方ができないやつが、他人の夢を笑う。

夢は逃げない。逃げているのはいつも自分だ。

死ぬ気でやれよ、死なねえから。



@@@@@@@@@@@@
2chの名言。↓。

死で救われるがいい。(少年犯罪板)

俺達の未来は、自分の死、太陽の死。(地球科学者板)

ほかにも、・・・・・

神が人間を創ったのではない、神は人間の創造物である。
(多少手直ししました)

自転車の止まる音。死んだ母を思い出す。

まあ、頑張れや。二度とここには、戻ってくるなよ。

望む方を向いて、望む方へ向かっていきなさい。

@@@@@@@@@@@@
最後に、私のつくった名言?迷言です。

苦しんで、もがきながらでも、高い山の頂に登らなければ、高嶺の花には、出会えない。

高嶺の花は、最初から諦めていたからねえ。低山ハイキングみたいな、低空飛行の人生ですが、ま、それも、人生かと思っています。低山でも、歩き続けるのは、けっこう、大変なんです。最後は、泣きが入ったところで、お後がよろしようで・・・・。



Re: ぼくらの

紅@KOH
『ぼくらの』のアニメも面白いのですが、改変が多いので評価が分かれるかと思います。「原作派」か「アニメ派」かと言った具合に……私は両方とも好きですが、それぞれ両方にちょっと言いたいこともあるのですよね。どちらも個人的に「惜しい」でしょうか……まあ、いずれにしても面白いのですw

アニメは結構よくまとめられてると思うので、機会があれば是非とも御鑑賞下され。


私は、常に死んだ彼女のことでしょうかね。胸の内にある物は。

死ぬのはいつでもできるので、もう少し生きようと思っています。
如何様な未来が訪れるのか……さっぱり想像できませんが。

( ̄^ ̄)ゞ☆
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